リレーコラム

vol.1 vol.2

農人研設立報告へのお礼状

 農と人とくらし研究センター設立、おめでとうございます。農と人とくらし研究センターという名前や岡谷からの発信は、とても素敵ですね。
片倉さんのお書きになった総会の様子や設立の経緯を読ませていただきました。片倉さん、吉野さん、諸藤さんとお三人に賛同する皆さんの、くらしの原点を見据えた強い思いに私も大変共感しました。見失われがちですが今の時代だからこそ大切にしなければならないことを追及する、農と人とくらし研究センターの姿勢がよく理解できました。
 私のくらしに対する考え方は、子育てを通じて大分変わりました。日常の出来事の一つ一つが常に動いているものなのだと生々しく感じるようになりました。そのような日常の積み重ねの一部としてセンターにかかわらせていただくことは、自分自身の成長にも結びつくのだと感じています。日常を懸命に生きている一人ひとりの集まりから農と人とくらしのあり方を考える、そういったところに研究センターの存在意義があるのだとすれば、私がメンバーに入れていただく資格(意味)もあるのかなあと考えています。
 一方的な期待ばかりを書いた気もしますが、わくわくしていることをまずはお伝えできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

2007.10.12 西山未真

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宮沢賢治の童話,『グスコーブドリの伝記』

 「ブスコーブドリの伝記」は,あのイーハトーブの火山局技師,ブドリの短い生涯を語った童話である。腕の良い木こりの息子として生まれ,天候異変や火山の噴火など自然環境の厳しさとそこで暮らしを営む人びとの暮らしをよくしようと努力していくストーリーになっている。
 ブドリが最も影響を受けるクーボー博士は,宮沢賢治その人のように見えてくるのは,私一人ではないだろう。科学知識を熟知し,それを人びとに教えながら,地域に役立つ技術をつくりだし,若い人々を育ててゆく。
 私は賢治の作品をすべて読んだわけではない。でもこの童話の舞台となるイーハトーブそのものを描いたのは,この作品だけではないだろうか? イーハトーブは岩手県そのものをさす,と言われている。賢治が農業学校の講師として活躍した花巻は,イーハトーブの里として地域おこしに使われているので,多くの人は,こうした宣伝を通じてイーハトーブを知り,賢治の世界に入っていく契機にもなっているのだろう。イーハトーブは,賢治が理想郷として描く地域で鏡の国アリスの世界と同様なもの,創造された世界であることを語っている。
 この伝記を読んでいてオリザを耕作した人が「山師」として扱われている。オリザとは稲のことで稲作をしてそれで儲けようとしている農民をリアルに描いているが,こうした位置づけは,賢治がどのように農耕を考えていたのか,手掛かりになり,実に興味深い童話になっている。どちらかというと難解な『農民芸術概論』を読む上での導入口としての『グスコーブドリの伝記』をお勧めする。
 なお,アニメの情報は以下のサイトで。
 http://wwws.warnerbros.co.jp/budori/

富田祥之亮

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http://www.rircl.jp/ NPO法人 農と人とくらし研究センター